Play with the cards you're dealt

読書、旅行、自省など。自分のためのメモ

「The 4th revolution」Luciano Floridi

テクノロジーの進化とそれがもたらす社会の変化について論じたもの。後半は抽象的な話が多く、何を言っているのか分かりづらかったが、前半はこれからの社会の変化など具体的な話が多く、納得感があった。ただし、やや聞いたことのある論点ばかりであるように思ったが。
著者の主張の一つとして、情報の非対称性が失われ、誰でも情報の発信が可能な世の中になったことで、国家の位置付けが揺らぎ、他方で価値観ベースでつながるコミュニティの存在感が強まるだろうとあった。
しかしこれは本当にそうだろうか。誰もが土地なくして生きてはいけない。そして自由に言葉の壁も国境も越えて生活の場を行き来できる人間など、全世界の1%よりずっと少ないだろう。もしかしたら国の存在感は薄れるかもしれないが、国自体の存在感がそう簡単に萎むことはないのではないか。

やや抽象的でもやもやとした読後感の著作だったが、情報産業に従事する方はもっと面白く読めるのかもしれない。